齊藤 大蔵
尿崩症
先日の勉強会で尿崩症患者の低リン血症について質問をいただきました。
結論から言うと、"尿崩症による"低リン血症ではなく他の原因による低リン血症ではないかと思います。ただし、低リン血症の状態によって尿崩症はありそうです。つまり、尿崩症→低リンではなく、低リン→尿崩症です。
まずは尿崩症について
尿崩症は大きく分けると
中枢性尿崩症 (ADHが出ない)
腎性尿崩症 (ADHに反応しない)
・多尿・頻尿
https://www.jslm.org/books/guideline/05_06/074.pdf
勉強会で言及したのは中枢性尿崩症で、頭部外傷や脳血管疾患などにより起こる尿崩症です。腎性尿崩症は様々な原因がありますが、原因等については以下に参考文献を載せます。
・尿崩症の診断と治療
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika1913/83/12/83_12_2105/_pdf/-char/ja
腎性尿崩症の原因として高Ca血症があります。
PはCaと反対の動きになることが多いです。
高Caの原因と1つである原発性副甲状腺機能亢進症は高Ca、低P血症となるため、尿崩症の結果低Pというよりも低P血症の原因である原発性副甲状腺機能亢進症により尿崩症になっていた可能性はありそうです。
・原発性副甲状腺機能亢進症
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/96/4/96_662/_pdf
私自身は脳外科病棟や集中病棟で頭部外傷やくも膜下出血患者さんを担当することが多かったので、中枢性尿崩症の患者さんを受け持つことが多く尿崩症=中枢性尿崩症と思っていました。しかし、今回調べて見て腎性尿崩症について勉強できました。
勉強会での皆さんからの質問はありがたいですね。
本日も勉強になりました。